2014年11月1日、苫小牧市民会館で父親ネットワーク北海道「全体交流会」を行いました。年に一度、全道各地で活動しているお父さんグループが結集し、情報交換と仲間づくりを目的に開催しています。早いもので設立集会も含め4回目となりました。参加者は約40名。岩倉博文苫小牧市長も駆けつけてくださって、激励の言葉をいただきました。今回の全体交流会は、「全道各地で活動するお父さんたちと学び合おう!」をテーマにしました。父親ネットワーク北海道を立ち上げて3年が経過し、会員の所属する団体の活動も新たな取り組みが創造されてきています。そこで、最新の実践を交流することにしました。
プログラム①の基調講演には、苫小牧市教育委員会教育委員長上原毅さんが登壇してくださいました。「オヤジの会OBとして」と題し、長年活動してきたオヤジの会への思いや仕事を通して学び感じたことをお話ししてくださいました。会社員、市議会議員としての経験、PTA活動、苫小牧啓北中オヤジの会の立ち上げ、そして、現在の教育委員会教育委員長という仕事や活動からみえてきたことなどご自身の人生を振り返りながらのお話は、子育て現役世代の心に響く内容でした。職業を通してみてきた”子ども達の心”、”複雑で繊細な思い”など、「親はなかなか気づいてあげられないことが多いようです・・・」という指摘にどきりとしたお父さんも少なくなかったようです。また、1990年に苫小牧啓北中オヤジの会を設立したメンバーの一人として、「自分の子どもの世代が親になりオヤジの会を引き継いでいることの喜び、さらには孫の世代までつながってほしい」という思い、「オヤジの会の活動を縁に素晴らしい交流が生まれ、一生お付き合いできる方々と出会いました。それは、お金では買えない財産だと思っています」といった思いも語られました。最後に「オヤジの会、OB会、父親ネットワークが一緒になって交流・活動していくことができたら素晴らしい」というエールもおくっていただきました。
基調講演の後は、プログラム②の実践交流を行いました。各地域から7つの報告がありました。
苫小牧・・・北光小学校おやじの会、啓北中学校オヤジの会
札 幌・・・平和幼稚園おやじクラブ、地域こどもネットワーク「みんなの森」
稚 内・・・潮見が丘中学校父親の会OB会
新 得・・・新得中学校PTA OB・OGの会(ゴボーの会)
千 歳・・・「しなの通学合宿」
実践交流では、各地の活動の最新情報を報告し合いました。アイデアや工夫に満ちた実践の数々は、子どもたちたちのために何かしたいという熱いオヤジたちの思いに応える内容だったと思います。一部を紹介しますと・・・・・子どもたちや先生たちと一緒になって学校行事や学校整備に汗を流すお父さんたちの取り組み、園の自然環境を豊かにするために数年計画でビオトープ(生物生息空間)づくりを決意!!するお父さんたち、災害に備え子どもたちと一緒に学校で宿泊体験を行いつつ、今話題のLEDを使った光のアートプログラムを組み込み芸術に触れる機会づくりにも取り組んだ実践、地域全体の父親交流会を企画して親、教師、住民が集い、”親のホンネ””教師のホンネ””地域のオトナにできること”を本音で話せるグループディスカッションをコーディネートしたり、マチの目標である地域みんなで子育て!の実現に向け、中学校と小学校の保護者同士がつながるための交流会を企画した実践などなど、わくわくする報告ばかりでした!
今年は、千歳から初参加してくれた団体がありました。町内会で取り組む「通学合宿」の事例を紹介してくださいました。通学合宿は、小学生が地域の会館などに泊まり、生活体験をしながら学校へ通学するという取り組みです。食事を自分たちでつくったり、部屋の掃除をしたり、共同生活を体験しながら生活者としての力量を高める実践でした。彼らの合宿を地域の方々がボランティアとして関わり、支えていました。お風呂はもらい湯にするそうで、そこから子どもたちと地域の方々がつながっていくことにもなるとのこと。この取り組みは、子どもの生活体験の場づくり、地域の子どもと大人の接点づくり、大人同士の交流の場づくり(地域住民のつながりづくり、地域と学校のつながりづくり)になっているそうです。また、小学生のころに通学合宿を体験した中高生がお手伝いとして参加してくれる好循環が生まれたり、町内会行事へのつながりが生まれるなど地域づくりへの広がりも見えてきているとのことでした。
全体交流会の後半は、プログラム③交流タイムとして、参加者全員による“1分間スピーチ”を行いました。恵庭から参加してくれたPTAのお母さんやお父さんからは、自分のまちでも中学校の現役PTAとOBと小学校のPTAがつながるような親のネットワークをつくってみたいというお話しがあったり、おやじの会OBの方から「通学合宿という言葉を初めて聞きましたし、とても勇気のある取り組みだと思います」という感想もいただきました。今回の交流会は、「全道各地で活動するお父さんたちと学び合おう!」をテーマとしましたが、その目的が果たせたのかなと思える時間でした。感想アンケートでも「地域で子どもを育てる、そして、地域のネットワークをつくって大人も育っていく。どの地域も同じ目的で進めているのを感じ、心強く思いました」という声をいただけました!当会の顧問である手島孝通さん(前稚内市教育委員会教育長)からも「”教育のモットーは、ALL稚内で!”と言ってきました。すべての人が子育ての担い手だと思います!!」という言葉をいただき、私たちの方向はこれでいいんだとあらためて確信しました。本当に皆様の取り組みや言葉は、励みになります。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。来年の全体交流会は8/22(土)札幌での開催を予定しています。皆さま、ぜひ、予定に入れておいてくださいね(^^)v (父親ネット事務局長:吉岡)