シングルファザーハンドブック 5
シングルファザー当事者からの提案のページその1
一郎父さん
「シングルファザーは、所得要件などで福祉的な支援を受けにくい状況があります。そこで、シングルになっても同じ職場で働き続けるための支援の整備を提案します。
具体的には、シングルで子育てしている本人ではなく、職場に助成金が支払われ、それで人員が補充される制度があればいいと思います。そうすれば、シングルになっても気兼ねをせずに子育てと仕事を両立できますし、職場にも迷惑をかけずに済みます」
シングルファザー当事者からの提案のページその2-1
キラパパ
「シングルマザーのシェアハウスができています。シングルファザーのシェアハウスは、まだ聞いたことがありませんが、もし、できたら是非入居したいと思っています!!」。
ニコママ
「シングルマザーシェアハウスの先進地である東京で、調査してきました!現在進行形でどんどん進化しているようです。最新のシェアハウスの一つを紹介します。こんなふうに暮らしていましたよ!」
東京都内の某所で2017年にスタートしたシングルマザーのシェアハウス。
下宿のようなスタイルで、母親と子どもが住む個室が5世帯分あり、一階は広いリビングという間取り。1階、2階共に共用のキッチン、トイレ、バス。
シングルファザー当事者からの提案のページその2-2
最も特徴的なのは、平日の夕食がついていること。さらに管理人二人が常駐しているので、夜9時まで子どもの見守りをしてもらえるそうです。保育所の送り迎えも、追加料金1万円で可能です。残業で遅くなっても見守りがある上、夕食が出来上がっていることは、シングルにとってはありがたいですね。
リビングで皆でご飯を食べ、くつろぎながら母親の帰りを待つ。子どもにとっても安心できる仕組みです。母親にとっても“お帰り~”と出迎えてくれる、管理人や子どもたち、シングルママたちの存在は大きいようです。
経営者はこう話していました。「ここは福祉とは違うんです。不動産業として、ビジネスとして採算がとれる形で取り組んでいます。ですからシングルマザーであってもそれなりの収入がある母子世帯を対象にしています」
月々、家賃と平日の夕食代、光熱費、共益費等を合わせておよそ10万~15万円ほど必要となっており、シングルマザーでも一定以上の収入が見込める層がいる都市部で成り立つ形とのことでした。
行政が行う福祉的な支援とは異なる形での助け合いの姿がありました。シングルファザーであれば、地域を問わず可能かもしれないと感じる内容でした。
最後になりますが、一郎父さんからの
メッセージ
これからシングルで子どもを育てようと考えているお父さんへ
シングルファザーになる前段階として、ぜひ、これだけは伝えておきたいです・・・・。当事者からのメッセージです。
本当に覚悟があるのかどうか
- 離婚をする覚悟
- 親権をとる覚悟
- 養育していく覚悟
シングルファザーの多くは、元妻から養育費をもらっていないと聞きます。その上、子育てで給料が減ったとしても収入制限で公的な支援はそれほど受けられません。さらに、シングルで子どもを育てている父親の数は少なく、仲間づくりも困難な状況です。仕事と子育てで自分がつぶれそうになった時期もありました。今の日本は、本当にシングルで子育てをすることが大変な社会です。すぐに答えを出すのではなく、さまざまな角度からよく考えて、決断してほしいと思います。
編集後記
シングルファザーとして、色々な経験から見えてきたことをまとめました。思っていた以上に大変なこともありましたが、一方では、気楽なこともたくさんあります。教育方針は、すべて自分で決められますし、気分によって、今日は掃除、洗濯はなしにして、朝から飲んじゃえ~という休日もあったりします(笑)。子どもは大きくなっていきますから、家事もどんどん楽になっていきます。大変なことばかりではありません。
このハンドブックは、同じシングルで子育てをしているお父さんが読んでホッとするような、「そうそう!」と共感してもらえるような内容を心掛けました。
そして、父子家庭の支援をしている方や支援に関心を持っている方にシングルファザーがどんなことで困っているかを伝えられたら・・・、という思いも込めました。
多くのシングルファザーにこのハンドブックが届くことを願っています。仲間がここにいます。連絡ください(*^^)v
このハンドブックは、
「北海道社会福祉総合基金」
の助成を受けて作成したものです。
2018年3月発行
制作:「父親ネットワーク北海道」
シングルファザーハンドブック編集委員会
連絡先 父親ネットワーク北海道
事務局長 吉岡
a.yoshioka555@yahoo.ne.jp